猫ってどんな動物なの?ルーツから解き明かす猫の習性[獣医師アドバイス]

古くから世界で愛され続けている動物「猫」。今や、国内での飼育数は犬を抜いて、「最も飼われているペット」の座につきました。そんな身近な存在である猫ですが、そもそもどこからやって来た動物なのでしょうか? 猫のルーツから、現在の猫にも残る習性を紐解いていきます。

ご先祖は、ヤマネコの一種「リビアヤマネコ」

「猫」の正式な和名は、「イエネコ」といいます。イエネコの先祖にあたるのが、現在でもアフリカ北部一帯やアジア南西部にかけて生息している「リビアヤマネコ」という小型のヤマネコです。家の中で飼い主さんと穏やかに暮らしている猫にも、先祖であるリビアヤマネコの習性が反映されています。

夜行性というよりも、「薄明薄暮性」

猫は夜行性とよくいわれますが、じつは「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)で、おもに薄明(=明け方)と薄暮(=夕暮れ)から活発になります。早朝に飼い主さんを起こしたり、日中寝てばかりの猫が夕方にはよく動くようになるのは、狩りの対象も動き回る薄明かりの中で活発に活動してきた祖先のリビアヤマネコの性質の名残と考えられています。

ただし室内での暮らしでは、飼い主さんが早く消灯すると同じタイミングで眠ったり、逆に深夜も明るい照明のもとで起きていると夜行性になったりと、人の暮らしに合わせる傾向もあります。

飼い猫になっても、狩猟本能は健在

リビアヤマネコは、ネズミ類や鳥などを捕まえて食べてきました。飼い猫は狩りをしませんが、「狩りをしたい」という欲求を宿しているので、器によそってもらったフードを食べるだけでは狩猟本能を満たすことができません。飼い主さんが猫用のおもちゃで遊んであげたり、狩猟本能を満たす工夫をしましょう。

転がすとフードが飛び出すおもちゃ(パズルフィーダー)の活用もおすすめ。「食ベる」と「捕まえる」が掛け合わされることで、より狩りの欲求を満たせるでしょう。

運動も休息もできる高いところが大好き

リビアヤマネコはふだん地上で生活しますが、木登りも得意です。同じように、猫も高いところを好みます。キャットタワーやキャットウォークを設置したり、階段状に家具を並べるなどして、上下運動ができるようにしてあげましょう。

高さがある場所は、飼い主さんの動きを目で追ったり、窓の近くなら外の様子を見渡したりしながら、自分の安全を確認できるため、安心感を得られるメリットもあります。奥行きがあって寝そべられるスペースもつくってあげるといいでしょう。

四方を囲まれた狭いところが落ち着く

高所と同様に、猫が安心感を得やすいのが、身を隠しやすい暗くて狭いところ。野生時代に岩穴などで外敵から身を守りながら休息をとっていたことが関係するのでしょう。突然の大きな音や声や来客などにびっくりしたり、仲の悪い同居猫や子供に追いかけられたりしたときに逃げ込めるように、すっぽりと姿を覆い隠せるスペースを用意してあげましょう。

(記事監修:服部幸先生/東京猫医療センター院長)