健康キープのメリットも!全身どこでも触れる猫にしよう[獣医師アドバイス]

飼い主さんとのスキンシップを愛猫が快く受け入れてくれると、嬉しいものですよね。愛猫が体を触られる感覚に慣れていると、このようなコミュニケーションの側面のほか、健康を維持するうえでのさまざまなメリットもあります。

お手入れや健康チェックをしやすくなる

猫が抵抗なく体を触らせてくれるようになると、以下のようなケアをしやすくなります。

●痛みやできものなどがあるときに、飼い主さんが気付きやすい
●体重測定がしやすい
●ブラッシングや爪切り、歯磨きなどのお手入れに慣れさせやすい
●投薬や点滴が必要になったときに、スムーズにできる など

また、動物病院で診断や処置のために獣医師が触れる際に、猫のストレスを軽減できるメリットもあります。

できれば子猫のうちに慣れさせて

猫の性格にもよりますが、成長してから急に体のあちこちを触ろうとしても、嫌がられることが多いでしょう。できれば子猫のうちから、体のすみからすみまでまんべんなく触ったり、抱き上げたりして、体を触られる感覚に慣れさせましょう。飼い主さん一人ではなく、家族全員、さらには来客などにもお願いすると、家族以外の人も含めたいろんな人に慣れやすくなります。

触らせてくれやすい部位から、少しずつ

とはいえ、子猫のうちに触れられ慣れていない猫や、子猫期を過ぎてから迎えることになる猫もいます。そんな猫には、段階を追ってスキンシップを。最初は、指1本を差し出して近づけて、猫が興味を持ってくれたら、その指で頬や額、あごの下などの猫が触られると気持ちよさそうな部位を中心になでてあげましょう。

敏感なしっぽや足、急所であるお腹は、触られるのを嫌がりやすい部位。最初から触ろうとすると攻撃される恐れもあるので注意しましょう。まだ触られ慣れていないうちから、「かわいい〜」としつこく触るのもNGです。

歯ブラシで“毛づくろい”風のスキンシップ

人用の歯ブラシを使って、猫の顔まわりなどをやさしくなでる方法も。母猫が子猫の全身をなめるような感覚と似ているためか、気持ちよさそうにする猫が多いようです。ブラッシングが苦手な猫にブラシの感触に慣れさせるためのファーストステップとしても効果的。

猫がのんびりしているタイミングがベスト

猫が活発に動き回っているときよりも、リラックスしているときのほうが、スキンシップを受け入れてもらいやすいでしょう。食事のあとや、おもちゃなどでしっかり遊んであげたあとなど、猫がうとうと眠そうにしているときに、小さくやさしい声をかけながら触ってみましょう。

(記事監修:服部幸先生/東京猫医療センター院長)